コワーキングスペースとシェアオフィスの特徴と違い
最近は、リモートワークやフリーランスの方が増えてきて「仕事をどこでするのか」や「カフェやファミレスではなくもっと静かな場所はないか」とお悩みの方も多いと思います。また、学生の方も家で勉強するのは集中力が続かないので、「集中できるスペースが欲しい」といった声もあります。
近年では、そのような需要に対してコワーキングスペースやシェアオフィスといったサービスが増えてきています。そこで今回は、コワーキングスペースとシェアオフィスの違いやメリット、デメリットについて紹介していきます。
コワーキングスペースとシェアオフィスとは
まずコワーキングスペースとは、2010年ごろから個人事業主や起業家、在宅勤務されているワーカー向けに作られた施設であり、シンプルな内装で基本的に椅子と机がある程度でパソコン1つで作業される方が多いイメージです。基本的に専用の個室スペースではなく共有型のオープンなスペースとなっており、席も自由席なためその日空いている場所で作業を行うことができます。設備としてはWi-Fiや電源の完備は当然準備されており、それぞれのコワーキングスペースによってドリンク機械が用意されており利用料に飲み放題が含まれていたり、書物やホワイトボードといった備品を揃えている場所もあります。
次にシェアオフィスとは、1つのオフィスを複数の企業や個人で共有するオフィスのことです。それぞれが、毎月自分のオフィスに高いお金を払わずにオフィス空間を借りることができ、会議室やコピー機など一般的にオフィスにある設備を使用することができます。
個室や半個室も多くあり、より企業として使用する際にはとても便利なサービスです。
それぞれの特徴とメリット・デメリットについて
コワーキングスペース
メリット
集中できる静かな環境
コワーキングスペースの最も魅力的な部分といっても過言ではないのが「静かな環境で集中して作業することが出来る」ということです。自宅ではなかなか作業に集中できず、家族や子供がいると気が散ってしまい仕事が進まないことがありますが、最小限の設備しかないコワーキングスペースの空間は仕事や勉強するのに適した環境です。カフェやファミレスでも作業はできますが、周りのお客さんや時間制などがあり日によっては全然作業に向かない時もありますが、コワーキングスペースでは利用者は「作業する」という目的で利用するため日によって環境が違うことはありません。もちろん、オープンスペースですので完全に1人ではありませんが、限りなく周りを気にすることなく作業が進められます。
仕事場を低予算で確保できる
例えば、新たに仕事場を確保しようとすると賃貸で部屋を借りると家賃や光熱費、管理費などが発生し、プリンターや机椅子などを1から準備しようとすると数十万円〜数百万のコストがかかってしまいます。1人で費用を払うとするとかなりの出費になってしまいます。その点、コワーキングスペースでは月々の費用を数千円〜数万円程度で借りることができ、施設によってはプリンターや仕事の備品も借りることができます。また、時間や1Dayでも利用でき、気分を少し変えながら作業できるところも魅力的です。
カフェやファミレスは商品の注文が必要となりますが、コワーキングスペースでは余分な出費もないため総合的にみても低予算で利用できます。
新たな交流の場として利用できる
こちらは「1人で集中して作業したい」という目的とは矛盾しているように思えますが、作業の合間や前後で、自分と同じような働き方をしているワーカーと交流し、新たなビジネスチャンスやコネクションを作れることは貴重な場です。カフェやファミレスでは食事を目的としている利用者も多く、そのようなワーカーに出会うことは困難ですが、同じ目的を持つ利用者が多くいるコワーキングスペースでは比較的に出会う確率も高くなります。あくまでも作業の合間での出会いですので、交流ばかりになってしまうと、仕事に支障が出て本末転倒になってしまうこともありますが、上手く利用すれば新たなビジネスチャンスも広がるかもしれません。これから、事業を伸ばしていきたいと考えているのであれば、日々のこうした出会いは将来への投資だとも言えます。
デメリット
作業場が確実には確保できない
最近ではコワーキングスペースブームでもあり、昔と比べて利用者はかなり増えています。自分の席が決まっていないことは自由で使いやすい反面、席の確約がされていないためその場に行って席がなければ利用できない可能性もあります。月々の料金や1Dayの出費は抑えられますが、確実な作業スペースの確保は難しい時があります。コワーキングスペースによっては席を予約できるサービスもありますが、その分コストが高くなってしまったり、利用制限がかかってしまったりするデメリットもあります。コワーキングスペースの活用の際はこのようなデメリットもあることを理解して上手く利用しましょう。
セキュリティー問題
こちらはオープンスペースである以上セキュリティー面では色々と問題が残ります。様々な人がその日だけ利用するためどのような人物が作業しているかも分からないため、情報漏洩や盗作や盗みのリスクも高くなります。お手洗いの隙に書類が盗まれていたり、情報だけ盗み見られたりすることもあります。特に、情報機密関係の仕事をする人にはあまり向いていないかもしれません。あくまでも、資料作成や課題などの作業には向いていますが、顧客情報や会社の守秘義務が関係する仕事はなかなか行えないかもしれません。
長時間のリモート会議には不向きのこともある
長時間のリモート会議では発言することも多いとは思いますので、なかなかオープンスペースでの会話は周りの目も気になり仕事にならない時があります。そもそもリモート会議や電話禁止のところもあり、会話が多い仕事には不向きです。個室がある施設もありますが、全ての施設にあるわけでもなく、利用制限もあるため自由に使えるわけではないかもしれません。そのため、講義などの利用も良い時と悪い時があるので、急に会話が必要になってあわててしまわないように考えておきましょう
シェアオフィス
メリット
オフィスの費用を抑えられる
コワーキングスペースと同じく月々の費用や初期費用を抑えられることは大きなメリットです。それなりに大きなオフィスを借りるとなると個人で部屋を借りる時よりも数倍コストが増えてしまうため、事業を拡大していきたいと考えていても実際問題仕事が壁になることは多々あります。その点、シェアオフィスは月々の費用を抑えながら経費のコストカットに期待できます。基本的な設備は最初から備わっておりすぐに事業をスタートできる点もメリットです。団体で作業したいけどスペースがないという方々には向いています。
設備の充実
コワーキングスペースと比べてより仕事向きの設備であり、比較的にリモートで利用や書類の印刷などを問題なく行えます。個室や会議室がない場合や利用制限があることもありますが、仕事以外の個人的な利用は少ないため利用できる頻度は高くなります。また、ホワイトボードや郵便物の受け取りなどよりオフィスとしての利用がしやすい点はコワーキングスペースとは違うところです。個室や会議室が備わっている施設も多く、すぐに利用できるのも嬉しいポイントです。
オフィス向けのサービス
事業を進めていく中で「住所利用」や「法人利用」は重要な点であり、施設によってはシェアオフィスは利用や登録ができる場合があり、幅が広がる点もメリットです。全ての施設ができるわけではないので、利用の際には事前にシェアオフィスの運営ホームページなどに確認してから利用することをおすすめします。
デメリット
立地の問題
個人で利用する場合は自由に移動できるかもしれませんが、従業員がいる場合はある程度決まった場所での仕事が求められると思います。シェアオフィスは様々な場所にありますが、駅近や都心など立地が良いシェアオフィスとそうではないシェアオフィスとでは料金やサービスも異なり、自由であるようで制限されてしまう可能性があります。シェアオフィスは良いが、場所が遠くて通勤がつらくなってしまってはデメリットの方が大きくなってしまいます。
幅広い価格設定
シェアオフィスは、価格設定の幅が広く転々とするのはあまり効率的とは言えないかもしれません。都心以外では安く抑えられても都心だとかなりコストがかかってしまったり、設備の充実さによっても価格の振り幅が大きいことは利用者としては余分な労力がかかる可能性があります。
追加料金の発生
シェアオフィスで気をつけないといけない部分は追加料金が発生する可能性があるということです。シェアオフィス自体は格安で借りることができても、個室や法人登録は別費用という場合も少なくありません。安さだけで選んでいると、追加料金の発生などで結果として高くつくこともあります。事前に自分が利用したい設備やサービスは確認しておき、費用の計算をしておきましょう。
選ぶ時のポイントや向いている個人・法人について
ここでは、コワーキングスペースとシェアオフィス、それぞれのメリット・デメリットから選ぶときのポイントや向いている個人利用者、法人利用者についてお話します。
コワーキングスペースを選ぶときのポイント
自分にあった設備や環境かどうかを確認する
コワーキングスペースによって設備が少し異なってくるので、事前に自分にあった環境を調べて利用すると快適かつスムーズに作業することができます。また、個室利用がしたい場合も個室がある施設とない施設があるため事前の確認が必須となります。せっかく行ったのに席が空いてなかったということを避けるのであれば、予約サービスも利用するのもおすすめです。価格自体はそれほど大きな開きはありませんが、設備面では少し異なってくるので自分のお気に入りの施設を見つけるのも良いかもしれません。また、継続して利用しやすいかという部分も選ぶときのポイントになっています。
向いている利用者
個人で、資料の作成や学校の課題などの利用目的で使用する方が1番向いていると思います。隙間時間に少し仕事を行ったり、動画編集や執筆活動などをする分にはとても良い環境だと言えます。逆に、重要な仕事やリモートでの会話が主な人には少し不向きかもしれません。作業をサクッと集中して終わらせたり、勉強するスペースとしては有効的です。
シェアオフィスを選ぶときのポイント
設備や立地など総合的な判断をして決める
上記のデメリットでも解説した通り、シェアオフィスの価格設定は振り幅が大きくなっています。そのため、よく分からず利用していると結局利用料が高くついてしまうケースも多々あります。無駄な出費を抑えるためにも設備の充実さや立地条件などから総合的に判断して、1番良い設備を選択しましょう。特に、立地に関しては団体で使用する際には総合的に効率が良い場所選択が要求されるため、より慎重に洗濯する方が良いです。
向いている利用者
個人利用よりは、団体での仕事の方が向いています。個人で利用するとなるとコストパフォーマンスが悪くなってしまう場合がありますが、複数人で使う分にはかなりコストダウンとなります。基本的なオフィスの設備はあるので、1から揃える必要はなく、その日からすぐに業務に取り掛かることができます。
まとめ
以上、コワーキングスペースとシェアオフィスについて見てきましたが、仕事場として利用していこうと思いましたでしょうか?コワーキングスペースもシェアオフィスも有効的に利用すると作業に集中でき、低コストで事業などを始められるのでとても便利なサービスです。様々な施設がある反面、それぞれの特徴やサービスを事前に確認したり、確実に席を確保したい時は予約などをして利用しましょう。また、新たな出会いの場として活用するのも多くのメリットであり、自宅や閉鎖的な仕事場では味わえない自由で新しい働き方をするのもアリかもしれません。これからも個人事業主やパソコン1台で起業する方も増えてくると思うので、いち早く流行に乗って自身のスキルアップに役立ててみてください。
本日は、最後まで読んで頂きましてありがとうございました。