コワーキングってどういう意味?他の働き方との違いを徹底解説!
現在、自宅ではなく外で仕事をするノマドワークの需要が高まっているのと同時に、コワーキングスペースの利用者が年々増えています。そもそもコワーキングスペースの「コワーキング」とはどういう意味なのか気になる人も多いのではないでしょうか?
コワーキング(Coworking)とは直訳すると「共同で仕事をする」という意味になります。これだけでは会社で働くこととどういった違いがあるのかがわかりませんね。
この記事ではそんな「コワーキング」自体の意味や由来について詳しく解説していきます。
コワーキングの意味とは?
冒頭でも述べましたが、コワーキング(Coworking)とは「共同で仕事をする」という直訳になります。
この意味だけを見ると、会社でチームとして仕事をすることと同じでは、と考える人も多いのではないでしょうか?
しかし、本来のコワーキングの意味は会社で働くこととは少し異なるのです。
コワーキングとは、さまざまな業種や目的をもった人々が、決まったオフィスで働くのではなく、会議室や仕事に最適な設備を利用するために集まり、個人で仕事を行うワークスタイルのことです。
簡単に言い換えると、「仕事をする場所に縛りがない人同士が一つの場所で働くこと」という意味になります。
仕事をする場所に縛りがない人を具体的に言うと、フリーランスやこれからビジネスの立ち上げをしようとする起業家、テレワークが許可されている会社員といった人達が挙げられるでしょう。
このことから、一つの共有スペースを利用して、個々で仕事をすることができる場所をコワーキングスペースといいます。
今やテレワークなどの普及から、コワーキングスペースは全国に展開されており、都市によっては数店舗展開されています。
また本来の「共同で仕事をする」という意味から、コワーキングスペースでは「交流できる場所」をコンセプトに設けられています。
会議室などが設備されているので、セミナーやイベントを開催することもでき、コミュニケーションの場所としても利用されています。
このコワーキングという概念は、ネットやテクノロジーが大きく発展した2010年ごろから日本に徐々に浸透していき、近年のコロナ禍によるテレワークの推奨によりさらに加速することとなりました。
また、2010年ごろから副業やフリーランスという働き方が多く見られるようになってきたのも、コワーキングが広まった理由の一つと言えるでしょう。
コワーキングと他の働き方との違いは?
では、コワーキングと他の働き方の違いは具体的にどういったところでしょうか。
ノマドワークとの違い
仕事する場所に縛りがないのはノマドワークも同じではないか?と思う人も多いでしょう。
ノマドとは「遊牧民」という意味があり、オフィスを持たずに自由に転々と場所を変え仕事をする人のことをいいます。
カフェや図書館、または自宅などで仕事をすることもノマドワークという働き方になり、コワーキングスペースを利用するノマドワーカーもいます。
しかし、コワーキングとは、「仕事をする設備が整った共有スペース」に集まり仕事をすることをいうので、カフェなど場所を問わず仕事をするノマドワークとは少し違います。
フリーランスでも会社と契約を組み、その会社に通勤して働くとなればノマドワークには当てはまらないので、フリーランスの人が一概にノマドワークをしているとは言えません。
テレワークとの違い
テレワークのテレ(tele)には「離れたところ」という意味があり、その名の通り、会社とは離れたところで仕事をする働き方になります。
リモートワークという言葉もありますが、テレワークとリモートワークは同じ働き方と考えて良いでしょう。
テレワークは、雇用関係を結んでいる会社員が会社という拠点を持ちながら外で働くことを言うことが多いです。
よって始業時間や退勤時間、そして休憩時間は決められており、報告する義務もあります。
テレワークで働く場所に規定がなく、コワーキングスペースなどを利用して働く場合は、コワーキングという働き方にもなるでしょう。
このことから「コワーキング」「ノマド」「テレワーク」といった働き方にはとても似ている部分と共通している部分が多く、少しの違いで言い回しが変わるということがわかります。
コワーキングと会社員との働き方の違いは?
では次に、企業に勤める会社員の働き方とコワーキングとの違いについて詳しく見ていきましょう。
働く場所が違う
自社オフィスを構える企業だと、決められた仕事場があり、自身のデスクなどが設備されていることが一般的でしょう。
始業時間に間に合うように準備をし、決められた時間で仕事と休憩をとり、退勤時間になると会社を出るといった流れが多いと思います。
しかし、コワーキングは仕事をする場所に縛りがない働き方なので、どこで仕事をするかは自分で選ぶことができます。
カフェで仕事をすることもコワーキングなの?と疑問に思う人もいるかもしれませんが、コワーキングはカフェで仕事をすることとは少し違います。
カフェは飲食を目的とした人が訪れる場所であって、仕事をする場所として主に設けられていません。
コワーキングスペースは仕事や交流を目的としているので、無料Wi-Fiや電源、または会議に使うプロジェクターなど、あらゆる仕事に必要な設備が整っています。
カフェにはそういった設備がないので、カフェで仕事をすることをコワーキングとは呼ばないと言えるでしょう。
一緒に働く人が違う
次の違いとしては、一緒に働く人が違うところです。
会社員であると同じ部署や担当の人と毎日顔を合わせて仕事をするのが一般的だと思います。
しかし、コワーキングではさまざまな人が一つの場所に集まって、個人で仕事をするので、毎日同じ人と顔をあわせるとは言えないでしょう。
利用料金がかかる
社内で仕事をするのに利用料金は必要ありませんが、コワーキングスペースの利用には料金がかかります。
コワーキングスペースには時間単位で利用できる「ドロップイン」料金と、会員になって制限なく利用できる「月額」料金があります。
料金は利用する地域などや施設で大きく変わるので、利用する前に調べておく必要があるでしょう。
コワーキングのメリットとは?
次に、コワーキングとして働くメリットについて解説します。
時間を有効活用できる
会社員だと、始業時間までに到着する必要があるので、万が一遠い場合だと時間を逆算して早く起きる必要があります。
また電車通勤の場合、天候やトラブルなどで通常運行がされない場合もあります。
しかし、コワーキングだと自分で場所を選ぶことができるので、自宅から近い場所にすればすぐにたどり着くことができます。
よって通勤時間などに時間をかけることなく、他のことに時間を有効活用できるのがメリットです。
新しい出会いがある
コワーキングの意味でも述べましたが、コワーキングとは仕事をする場所に縛りがない人が一つの場所に集まって個人で仕事をすることです。
よって、コワーキングスペースを利用すると、日々違う人と居合わせることになるでしょう。
さまざまな業種の人が集まるので、共有のスペースなどを利用することで、新たな出会いに繋がるかもしれません。
コミュニケーションの幅が広がることで、自身の仕事以外の知識を得ることができるかもしれませんし、友好的な付き合いに発展するかもしれないでしょう。
現在、この交流を主に目的としたコミュニティ型のコワーキングスペースも増えており注目されているようです。
リフレッシュになる
テレワークなどで自宅で仕事を長時間していると、リフレッシュがしたくなる時間が出てくるかと思います。
会社内での仕事も、周りの視線が気になり、なかなか休憩をしっかり取りづらいなどという状況も無きにしもありません。
しかし、コワーキングという働き方は、自身で仕事をする場所を決めることができるので、環境が変わり、リフレッシュにつながるでしょう。
コワーキングスペースには会員になっていなくても時間単位で利用できる「ドロップイン」制度もあるので、場所を日々転々とすることも可能です。
また最近では、カフェ設備が充実しているコワーキングスペースも増えており、美味しいドリンクを飲みながら仕事ができるなど、より快適に仕事ができるのもメリットの一つです。
集中して仕事ができる
コワーキングスペースでは、個室を完備している場所も多く、個人の空間で仕事をすることができます。
よって、より集中して仕事をすることができるのもメリットの一つです。
コワーキングスペースによっては、会員になれば席の確保ができるところもあり、空席の有無を気にせず利用することも安心できるポイントです。
また、子供連れでも利用可能なコワーキングスペースもあり、自宅で育児をしながら仕事を進めるのが難しいお母さんの手助けにもなるのも大きなメリットです。
すぐに仕事にとりかかれる
先ほども述べましたが、今やコワーキングスペースはあらゆる場所にあります。
急な仕事が入った時は、とりあえず近くのコワーキングスペースを調べて利用すると、設備環境も整っているのですぐに仕事にとりかかることができるでしょう。
また、コワーキングスペースは駅の近くなどに設立されているところが多く、交通面でもとても好アクセスで利用しやすいのがメリットの一つです。
起業に最適
起業をはじめるとなると、オフィスの設立をはじめ、働くためのデスクやイス等の家具、そしてネット環境など用意する物がとても多いです。
それらを揃える為にはお金も時間もかかってしまいます。
しかし、コワーキングスペースでは仕事に必要な設備が十分に整っているので、起業をスタートする際に利用することは資金の節約にもなりとても最適と言えるでしょう。
仕事以外にも利用できる
コワーキングスペースは、仕事以外の目的で利用することもできます。
例えば、資格や試験の勉強をしても良いので、必ずしもパソコンを開いて仕事をする必要はありません。
実際にコワーキングスペースを利用している学生さんも多いようです。
カフェやファミリーレストランに長時間滞在するのは、混雑時など気を使う場面が出てくるかもしれません。
また、パソコン作業や長時間の利用を禁止しているカフェも中にはあります。
しかし、コワーキングスペースを利用すると、料金はかかりますが、周りの視線を気にせず勉強ができます。
仕事終わりに、資格の勉強で立ち寄ってドロップイン料金で利用する、といったこともできるので、習慣的に通えるのもメリットです。
コワーキングの注意点は?
コワーキングという働き方のメリットについて解説してきましたが、反対に注意点はあるのかについて調べてみました。
利用料金を確認しましょう
働き方の違いでも解説しましたが、コワーキングスペースの利用には料金がかかります。
利用頻度が増えると、月額会員になる方がお得になる場合もありますが、月額会員だと最低でも月1万円以上かかるところが多いと考えられます。
月々の使用金額をシュミレーションして無理のない範囲で利用するようにしましょう。
セキュリティに注意しましょう
コワーキングは一つの共有スペースで仕事をするので、会社の情報や個人情報などの管理はきちんとしておくようにしましょう。
人が集まる場所なので、パソコンの内容を見られたり、最悪な場合、パソコンを盗まれたりする恐れもあるので、必ずセキュリティ対策をしておくほうが良いです。
パスワードを設定するなど、他人に情報が簡単に漏洩しないような対策が必要です。
コワーキングってどういう意味?他の働き方との違いを徹底解説!のまとめ
この記事ではコワーキングという働き方の意味と、他の働き方との違いについて解説しました。
今や社内という場所にとらわれず、さまざまな場所で働くことができるワーキングスタイルが注目されています。
毎日1人で自宅で黙々と働くより、外に出てコワーキングする方がより良いアイデアが思い浮かぶかもしれませんね。
今はSNSなどでコミュニケーションを取れる時代ですが、実際に顔を合わせて交流できる場所があるのはとても素敵なことだと思います。
色々な働き方を知り、自分にとってより良いワーキングスタイルを見つけることが、仕事へのモチベーションにも繋がることでしょう。